どれだけ多くの人のことをより深く思いやることができるか

2013年5月27日(月)更新:5
【名字の言】
 ユネスコが定める「国際ジャズの日」(4月30日)に、トルコのイスタンブールで記念行事が開かれた。ユネスコ親善大使のハービー・ハンコックさん(アメリカSGI総合芸術部長)をはじめ、最高峰のジャズミュージシャンが共演した▼その一人、南アフリカヒュー・マセケラさん。かつて本紙のインタビューで、同国のマンデラ氏が1990年に来日した際の逸話を語っている(2003年5月11日付)▼池田名誉会長が、氏を本社で500人の青年と歓迎した折、側近として同行したのがヒューさんの姉だった。氏は滞日中、ヒューさんに電話して彼女の仕事ぶりを称賛。今後、さらに多忙となって姉君に接する機会が減るであろうことをわびたという▼その後、大統領となって国づくりに指導力を発揮した氏を支えたのが、南アに脈打つ思想「人間は、他の人々の存在を通して人となる」であったという(『信念に生きる ネルソン・マンデラの行動哲学』英治出版刊)。氏は側近はもちろん、その人の家族、つながっている全ての人を思いやり、チームワークを大切にしたのだ▼リーダーシップとは、号令をかけることではない。どれだけ多くの人のことを、より深く思いやることができるかという挑戦である。(修)
   (聖教新聞 2013-05-24)