励まし合い支え合う学会の地区、支部こそ、地域コミュニティーの模範

2013年8月9日(金)更新:7
【名字の言】
 「なつかしい未来」という言葉を、地域の盆踊り大会に参加して思い浮かべた▼老若男女が櫓を囲んで楽しそうに踊っている。未来を担う若い命が弾ける“ロックソーラン”には、ひときわ拍手が高鳴った。地域の子どもたちが教え、教わって、長年続いている踊りだ▼広井良典著『人口減少社会という希望』(朝日選書)で紹介されていたのが「なつかしい未来」という概念である。著者は、今の学生のローカル(地方)志向に注目しつつ、人口減少社会ならではの「豊かさ」や「幸福」を考察している。日本の伝統的な価値を再生し、かつて世界が憧れた、生き生きとした地域コミュニティーのイメージである。それは郷愁ではなく、新たな成熟社会の創造であると強調する▼過疎化が進む一方、東京周辺の都市では駅前に高層マンションが林立し、新しい住民との触れ合いに悩む町内会も多い。聖教新聞本社の前庭で行われる“ふるさと盆踊り大会”(信濃町商店振興会主催)は、「ふるさと」としての地域の活性化に貢献。本年で28回目を数える▼未来部から青年、婦人、壮年、多宝会まで、励まし合い、支え合う学会の地区、支部こそ、地域コミュニティーの模範であろう。そこに、確かな希望の未来の姿がある。(杏)
   (聖教新聞 2013-08-03)