世界平和の心を磨くSUA

2013年8月14日(水)更新:7
【未来を創るSOKA(6) アメリ創価大学 理事と教授が魅力を語る】
●開学からわずか12年で、西海岸有数のリベラルアーツ(一般教養)大学と評されているアメリ創価大学(SUA)。その発展を無償で支えるSUAの理事の一人、著名な経済学者のキャレン・ルイス氏へのインタビューを掲載する。1994年、史上最年少で名門ペンシルベニア大学の教授に就任し、ハーバード大学連邦準備制度理事会等の研究員として活躍してきた同氏が、SUAに寄せる期待とは何か。教員の声とあわせて紹介する。

《キャレン・ルイス理事 貢献的人生を貫く卒業生 気高い使命感が脈打つ優れた学風》
●人の役に立ちたい――こうした学生の「使命感」は、マニュアル通りの教育で生み出せるものではありません。
 学生たちの「献身の心」と「不断の努力」を促す創立者、教職員の真心こもるサポートのたまものです。
 さらに、この素晴らしい学風を未来に継承する鍵を握るのは「卒業生」です。他の大学では珍しいことですが、SUAでは毎年、多くの卒業生が近況を携え、母校に帰ってきます。
 そして、後輩たちにエールを送っている。
 母校のためにできることは何かと考え、行動を起こしている。この伝統を守る限り、SUAは永遠に発展を続けていくでしょう。「貢献的人生を生きゆく世界市民の確固たる潮流を築く」との“創立の精神”を、受け継いでいくことができるのです。
  ――必修のスタディー・アブロード(海外留学)など、世界を舞台にした教育プログラムが魅力的です。
スタディー・アブロードは、SUAの目指す「世界市民」育成の模範的なプログラムです。
 創立者は、外国の文化を知り、人々と交流する中で“自身の世界”を広げゆくことを促されています。
 私は南米のパラグアイで育ちました。アメリカで研究する中、経済格差やパラグアイの貧困の原因に関心をもち、国際経済学分野に進みました。
 母国語が通用しない海外で学ぶ経験は、異文化との出合いを創出し、自国の社会・文化を客観視するきっかけを与えてくれます。
 一般に、アメリカの学生は、イギリスなど、英語圏の外国に留学する傾向があります。
 しかし、SUAでは、母国語以外の言語を習得できる環境が整っています。英語圏以外の出身者は第三言語をマスターする大きなチャンスです。
 これからは、「世界市民」に欠かせない重要な能力となります。
 ――SUAは奨学金制度が充実し、教育の門戸を開いています。
 真心の支援を寄せてくださる寄付者の方々に、心からの感謝を述べたいと思います。
●私の家族で、初めて大学教育を受けたのは母でした。母の家庭はとても貧しく、祖母は、小学校も思うように通えませんでした。
 逆境に負けず、大学に進学した母の姿が、私の心の支えとなり、シカゴ大学で博士号を取得できました。
 経済苦に悩む家庭の子であっても、大学教育を受けた家族が一人いれば、その姿が「希望」となり、学究の道を志すことができる。


《マイケル・ゴールデン教授 学生同士の触発が価値創造の知恵生む》
●私の専門は、リベラルアーツの重要な要素の一つである「音楽」です。
 ワシントン大学で博士号を取得後、コルビー大学やマーシャル大学の教壇に立ってきました。
 人間の普遍的活動である音楽は、学生の「創造性」を開発し、他者への「共感」を広げます。異国の地に似たような音楽を見つけた時、学生は互いの共通性を発見でき、他者の文化を尊重するようになります。
 また、「コアI」というSUA独自のプログラムで哲学や社会科学等も教えています。テーマは「人間であることの探究」です。
 「疑問をもつことに」心を開き、何のための人生、学問かを思考していく授業です。日本の創価大学の指針にある「英知を磨くは何のため 君よそれを忘るるな」との創立者の言葉に通じるものです。
 開学から12年の時を経て思うことは、学生たちが「自信」をもち始めているということです。1期や2期の学生たちは、前例のない中で、後輩の道を開こうと一心不乱に学び、大学院の試験や就職活動に取り組みました。
 そうしたSUAの卒業生が世界の各界で活躍を見せ、母校に戻ってくることで、在校生は「私たちも必ず国際社会に貢献できる」との自信を強くしていると実感しています。
   (聖教新聞 2013-08-06)