悲しいことのあとには、必ず楽しいこと、嬉しいことがやってきます

2013年10月30日(水)更新:1
・『先生は、ぼくたちの未来のために、根っこになろうとおっしゃいました』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20180812


【新・人間革命 若芽 四】
 入学式のメッセージで山本伸一は、児童と保護者らに、心からの祝福を述べたあと、『イソップ物語』の「塩を運ぶロバ」の話を紹介した。
 ――塩を背に積んで運んでいたロバが、川を渡る途中で、滑って転んでしまう。塩は水に溶け、背の荷物が軽くなった。喜んだロバは、今度は、綿を運んでいる時に、また身軽になろうと、わざと川で転ぶ。すると、綿に水が染み込んで重くなり、溺れてしまう。
 この話から伸一は、怠けて、楽をしようとすれば、最後には自分が損をしてしまうことを述べ、こう訴えた。
 「皆さん方もこれから、苦しいこと、辛いこと、重荷に思えるようなことがあるかもしれません。先生に叱られたり、勉強が思うように進まなくて悲しくなる時もあります。友だちとケンカして、悔しくて悔しくてしょうがない時も、きっとあるでしょう。
 しかし、それらのことは、全部、皆さんが大きな人間に成長していくための荷物といえましょう。
 冬の次には必ず春がくるように、悲しいことのあとには、必ず楽しいこと、嬉しいことがやってきます。竹は、どんなに大雪がつもっても、決して折れない。じっとしんぼうして、希望の春を待ちます。
 だからといって、なんでも一人でがまんしていなさいというのではありません。両親と話し合うのもよい。先生や仲のよい友だちに相談するのもよいでしょう。
 皆さんは、これから伸びゆく若竹です。心を大きく開いて、体をきたえ、心をきたえ、竹のようにしなやかで、ねばり強い“がんばり”を身につけていっていただきたい」
 児童たちの目は、キラキラと輝いていた。
 伸一は、まず子どもたちに、困難に挑むという、人としての最も大切な生き方を教えておきたかったのである。
 困難を避ける生き方が身についてしまえば、最終的に、子ども自身が不幸になってしまうからだ。
   (聖教新聞 2013-10-24)