ラボレムス!――さあ、仕事を続けよう!

2013年12月7日(土)更新:4
【名字の言】
 本紙日曜日付の将棋欄で出題者を務める森内俊之名人。先日、渡辺明竜王との“頂上決戦”を制し、見事、二冠に輝いた▼43歳での竜王就位は、史上最年長。将棋の愛好家には高齢者も多く、意外に思う方がいるかもしれないが、実は“25歳がピーク”ともいわれる世界。体力はもとより、記憶力やひらめきなど、勝負に求められる要素の多くは、若さがプラスに働くという。16歳でのプロデビュー以来、華々しく活躍してきた森内二冠自身、41歳の時に初めての年間負け越しを経験した▼加齢の壁を打開する方途はどこにあるのか。本紙「スクラムトーク」に登場した際、答えている。「たとえ年齢を重ねても、新しいことにチャレンジし続ける柔軟さ、若い人から学んでいこうとする意欲、謙虚さが大事。年齢を問わず、若々しい棋士は強いです」。今回の栄冠は、有言実行の成果であろう▼大歴史学者のトインビー博士が、ラテン語の「ラボレムス!」――??さあ、仕事を続けよう!?≠?モットーとし、80代になっても、毎朝必ず午前9時に机に向かったのは、有名な話。対談を通じ、39歳も若い池田名誉会長に学ぶ姿勢を貫いた▼年を重ねても、謙虚に学び、戦い続ける。その姿勢こそが人生を生き生きと歩む要諦である。(明)
   (聖教新聞 2013-12-07)