詩 今日の労苦は栄光の第一歩

2014年1月19日(日)更新:4
【池田名誉会長 桂冠詩人の世界 「冬は必ず春となる」と信じて 今日の労苦は栄光の第一歩】
●雪晴れの一日だった。天から舞い降りてきた雪が、東京・信濃町を“白銀の街”に変えていた。
 1990年2月のある日。純白の綿(わた)帽子をかぶった白と紅(あか)の盆梅(ぼんばい)が、寒さに負けじと顔をのぞかせている。
 梅は、寒風の中、いじらしく咲く。歯を食いしばって厳冬に耐え、春を待つ人々に「もう、そこまで来ているよ」と告げる。
 「法華経を信ずる人は冬のごとし」(御書1253ページ)。創価学会には、寒さに胸張り、地域のため、悩める友のために駆ける尊き同志がいる。暗く、凍てつく夜明け前の道を、機関紙の配達にひた走る「無冠の友」がいる。その熱い思いが触れ合って、“苦悩の雪”は解け、“笑顔の花”が咲き薫る。冬は必ず春となる。
 真っ白な雪は、純真な心。梅は負けない心――。友の幸福と勝利を念じつつ、池田名誉会長はシャッターを切った。


 忍耐の今日 希望の明日
   そこに 栄光の未来が生まれる
     *
 最後の勝利者
   真の勝利者というならば
  君の今日の労苦は
    栄光の第一歩と思うことだ
     *
 いかなる憂いがあっても
  僕は 弧身(こしん)の中に
   正義と向上と実証の
    潮騒がうず巻いているから
   安心してくれ と
     いえる人間であってくれ給え
     *
 僕は
  本当の信仰をする
   嘘の教養を排する
  故に至難のなかを
    だれよりも前に進む
     *
 僕は いま人生道の
   途中を歩いているのだ
  途中の批判には
    無頓着でありたい
   最後の到着に振る旗を見てから
    云々(うんぬん)してくれといいたいのだ
    *
 人間誰しも
   悩みは一生にわたってあるものだ
  ただ その悩みをいかに転換させ
   人生をして
    向上に向わしめてゆくかが
     大事な起点であるといってよい
     *
 所詮 敗者の歌でなく
   勝者の歌を 歌うために
  今日も 忍耐と建設の日々たれ
     *
 厳寒の冬
  皚々(がいがい)たる白雪の彼方
   陽春(ようしゅん)の到来を堅く信じ
  今 私は忍(にん)の一字の旗を
    胸中に掲げて前に進む

 (『池田大作全集第38巻』所収、『わが友へ』「忍耐と実践」より)

   (聖教新聞 2014-01-19)