しぼみそうな心を奮い立たせ友の希望となり自身の心の翼を広げていく

2012年10月21日(日)更新:1
【名字の言】
 北海道砂川市は菓子店が並ぶ「スイートロード」で有名。その一つの大手高級店では、壮年の地区部長がパティシエ(菓子職人)として開発責任者を務めている。伝統ある「フランス料理アカデミー」の会員でもある▼原点は17年前。修業を積んでいた神戸市灘区で、阪神・淡路大震災の被災者に。絶望の淵で「菓子を通し、人に希望を」と誓う。昨年の大震災では、復興支援に汗を流した▼砂川でもロケが行われた映画「エクレール・お菓子放浪記」。原作では、悲嘆に暮れる孤児を、大人がこう励ます。「いまの世の中に美しいお菓子がないのなら、キミがそのお菓子になるの。ひとを励ましたりなぐさめたり、生きてることをおいしがらせたりするお菓子になるのよ」(西村滋著『お菓子放浪記』理論社)▼米国CNNの特番で、自身も被災した東北の婦人部員が「なぜ人を励ませるのか」と問われ、「人のために火をともせば・我がまへあきらかなるがごとし」(御書1598ページ)との一節を諳んじていた。人を励ますことは、自分を励ますことにもなる▼明日が見えない。自分のことで精いっぱい。それでも、しぼみそうな心を奮い立たせ、友の希望となり、自身の心の翼を広げていく。これが創価の生き方である。(鉄)
   (聖教新聞 2012-10-20)