コロラド州コロンバイン高校から池田SGI会長に「名誉校長」称号

2013年4月1日(月)更新:3
【「VOV=暴力に打ち勝つ宣言」に100万人が署名 米青年部の非暴力運動に賞讃】
コロラド州コロンバイン高校から池田大作SGI会長に「名誉校長」称号》
〈デアンジェリス校長が出席し授与式「私たちから平和は始まる。池田博士の信念を共有したい」〉
●デアンジェリス校長から、アメリカSGI中部方面のトム・ローズ男子部長ら青年部の代表に証書が託された(コロラド州のコロンバイン高校で)
●暴力による悲劇の連鎖に終止符を!――式典にはSGI会長の平和の心を受け継ぐ多くの青年が出席した
●式典後のワークショップでは、SGIの平和の文化や核兵器廃絶への取り組みなどをめぐり議論が

アメリカSGI(創価学会インタナショナル)青年部が展開する非暴力啓発運動「ビクトリー・オーバー・バイオレンス(VOV=暴力に打ち勝つ)」が共感を広げている。運動の理念に賛同し、「非暴力へのVOV宣言」に署名した人は、これまでに100万人にのぼった。さらに、同運動の発端となった銃乱射事件が発生したコロラド州リトルトンのコロンバイン高校から、池田大作SGI会長に「名誉校長」の称号が贈られた。これは、SGI会長の教育を通じた青年育成、「平和の文化」構築と対話による相互理解、非暴力啓発への生涯にわたる世界的な貢献をたたえたもの。授与式は3月16日、アメリカSGI・ロッキーマウンテン圏の青年部が同校で開催した平和サミットにあわせて行われ、フランク・デアンジェリス校長からSGIの代表に証書が託された。
 アメリカSGI青年部の「イケダ・ユース・アンサンブル」による、勇壮な太鼓演奏が会場に響く。詰めかけた350人の参加者の中で、デアンジェリス校長は、青年の躍動にひときわ熱い視線を注いでいた。
 会場となったコロンバイン高校では、1999年4月20日、同校の生徒2人が校内で銃を乱射し、12人の生徒と教員1人が犠牲になった。世界を震撼させたこの事件は、アメリカの高校教育史上、最悪の銃乱射事件とされている。
 当日、惨劇を目の当たりにしたデアンジェリス校長は以来、心の葛藤と戦いながら、こうした悲劇を二度と繰り返さないために社会は何ができるかを問い続けてきた。
 一方、アメリカSGI青年部では事件後、青年が引き起こす暴力事件に対し、同じ青年としていかに立ち向かうかを議論してきた。
 仏法の思想と池田SGI会長の指導を学ぶ中で、その根底には、自分と異なる人間を差別し批判する「差異への執着」と、未来に対する「希望の欠如」があると結論。対話を通し生命尊厳の思想と希望を広げようと、同年から非暴力啓発運動「VOV」をスタートしたのである。
 メンバーは、展示を用いて全米各地で一対一の語らいを展開。非暴力に立ち上がるためには、日常生活における“怒り”をいかにコントロールするか、さらに、どう無関心の壁を乗り越えていくかが鍵である、と訴えた。
 また、暴力を克服した人々の体験を紹介するなどして“一人の人間は無力ではない。必ず変革を生み出せる”とのメッセージを伝えてきた。これまで14年間で、暴力に打ち勝つことを誓う「VOV宣言」には、世界各地の100万人以上が署名している。
 デアンジェリス校長は、地元の青年部メンバーを通じてSGIのこうした取り組みを知り、理解と共感を深めてきたのである。
 このサミットは、昨年7月にコロラド州オーロラの映画館で、同12月にコネティカット州ニュータウンのサンディフック小学校で起きた銃乱射事件を契機に、青年部が企画。3部形式で実施され、授与式は第1部で行われた。
 イケダ・ユース・アンサンブルの演奏に始まり、SGIの平和運動を紹介するビデオが上映された。
 デアンジェリス校長からSGIの代表への証書授与、青年部代表のあいさつに続いて、同校長が講演。
 14年前の銃乱射事件で犠牲となった13人の名前を読み上げた後、マーチン・ルーサー・キング・ジュニア博士の言葉を紹介し、博士が思い描いた夢を我々は実現できたでしょうかと問い掛けた。
 そして、エレノア・ルーズベルト大統領夫人の“未来は美しい夢を信じる人のためにある”との言葉に言及。「私は世界平和を願う池田博士の理想と信念を共有しています。すなわち、今ここにいる私たちから、そして楽観主義から、全ては始まるということです」と述べ、「平和な社会の実現に向け尽力されているSGI会長とSGIに敬意を表します」と語った。
 第2部、第3部ではSGIと地域の諸団体による、ワークショップ(研修会)や対話交流会が行われた。
   (聖教新聞 2013-04-01)