胸中に人間革命の凱歌の城を

2013年5月11日(土)更新:8
【社説】
 “世界広布の本陣”とそびえ立つ「総本部」。骨組みである 体工事、外壁工事が完了し、堂々たる威容を現した。23日には、栄光輝く創価の未来を象徴するような晴天の中、東京・信濃町の建設地で、定礎式が厳粛に執り行われた。
 式典には原田会長らと共に、施工業者の代表が出席。三代会長ゆかりの石、学会本部の石、SGI(創価学会インタナショナル)192カ国・地域の石、47都道府県の石などが、須弥壇の基底部に埋納された。本年の11月18日の総本部完成の暁には、須弥壇に「大法弘通慈折広宣流布大願成就」と認められた、創価学会常住の御本尊が御安置される。

師弟不二で築いた大連帯〉
 総本部は、地上7階建て。全国・全世界から同志が訪れ、三代会長の精神を受け継ぎ、広宣流布と人間革命への誓いを新たにする大殿堂となろう。
 戦後、戸田城聖第2代会長の事業が苦境のどん底にあった時のこと。若き池田名誉会長と戸田会長が皇居のお堀端を歩いていると、雨が降り出した。傘はない。タクシーも来ない。目の前にはGHQ(連合国軍総司令部)本部のビル。名誉会長は、その時の模様をつづっている。
 「当時、学会には、車もない。まして大きな建物などなかった。だが、私は申し上げた。『私が働いて、働いて、いい車を用意します。必ず立派なビルを幾つも建ててみせます! 先生、ご安心ください』」(随筆『我らの勝利の大道』〈栄光の創立八十周年〉)
 その言葉の通り、最大の苦難の中、恩師をただ一人、護り抜いた名誉会長。日本中で広布拡大の突破口を開き、何もないところから、全世界に広がる民衆の大連帯を築いてきた。創価学会は、“師匠に勝利で応える”との、不二の弟子の闘争で築き上げられた大城であり、総本部は、三代会長の不惜身命の精神をとどめる「広宣勝利の本陣」なのである。

〈陰の労苦が揺るがぬ礎作る〉
 名誉会長は今月の本部幹部会へ寄せたメッセージで、「人知れぬ陰の労苦に徹してこそ、『人間革命』と『広宣流布』の揺るぎない勝利の礎ができ上がる」と呼び掛けている。私たちにとって、地道な学会活動の積み重ねこそが、一切の勝利の礎を築く実践にほかならない。
 「今という時は建設のためにある」(吉阪隆正訳)とは近代建築の巨匠であるル・コルビュジエの言葉。総本部建設の希望の槌音とともに、一人一人が胸中に人間革命の凱歌の城を築いていこう。
   (聖教新聞 2013-04-29)