全ては自身の一念の変革から。それは「いつか」でなく「今」である

2013年4月4日(木)更新:3
【名字の言】
 今年の米アカデミー賞で8部門にノミネートされ、アン・ハサウェイ助演女優賞に輝いた映画『レ・ミゼラブル』。民衆の不撓不屈の魂を描いた同作は、日本でも多くの観客の心を打っている▼映画は1985年の初演以来、ロングランを更新し続ける同名ミュージカルを基にした。だが1曲だけ、ミュージカルにない、映画オリジナルの曲が使われた▼「サドゥンリー(突然に)」という曲で、主人公のジャン・バルジャンが孤児となった少女コゼットを引き取るシーンで歌い上げられる。彼が人生の意味を劇的に見いだす、静かだが印象的な場面だ▼創価大学に立つビクトル・ユゴーの大ブロンズ像の台座には、『レ・ミゼラブル』の有名な一節が刻まれている。「海洋よりも壮大なる光景 それは天空である 天空よりも壮大なる光景 それは実に人の魂の内奥である」(辻昶訳)。ユゴーはこの名作の中で、どんな困難の中でも、希望を創り出し、勇気を奮い起こす人間精神の偉大さを描いた▼人には、成長への転機というものがある。成長は、必ず決意から始まる。新たな学校や職場、新たな立場で出発する季節は、そのチャンスであろう。全ては自身の一念の変革から。それは「いつか」でなく「今」である。(行)
   (聖教新聞 2013-04-04)