就職活動に励む友を最大に応援

2013年2月22日(金)更新:8
【社説】 
 就職活動が本格化し、初々しいリクルートスーツ姿を見かける季節になった。 厚生労働省が今月発表した、昨年の通年平均の有効求人倍率は0・8倍。前年を0・15ポイント上回ったものの、依然として新卒者の内定率はリーマンショック以前の水準に及ばない。社会の荒波に挑む青年に、心から励ましを送りたい。
 昨今の就職活動は長期にわたることが多い。会社説明会に参加した後、書類審査や筆記試験、面接などが、並行して数カ月続くことも。長期戦に臨んでは楽観主義を旨として一喜一憂せず、「諦めない心」が必要だ。しかし、10社、20社と断られ続けるうち、焦りや挫折感などから、意欲を失ってしまう学生も現れ、その数は年々増加傾向にあるという。

〈「使命の場所が絶対にある」〉
 こうした状況から、相談窓口として個人面談に力を入れる大学が増加。厚労省も新卒応援ハローワークなどに臨床心理士を配置して心のケアに努めているが、時間的・精神的に余裕がない、あるいはハローワークが近くにないという人もいる。まして就活が長引くほど、友人との心の距離が遠のき、孤独になりがちだ。
 そんな時、心強いのは家族の存在。就活コンシェルジュの園田雅江さんは、本紙の取材で「最後まで信頼して見守っていることを子どもに伝えながら、甘えさせるのではなく、そっと背中を押してあげてほしい」と述べ、「聞き手になる」「衣食住を整えてあげる」など、家庭でのサポートの重要性を訴えている。
 先日、50社以上からの不採用通知を乗り越え、就職を勝ち取った学生部員に話を聞いた。何よりの励みは一緒に題目を唱えてくれた両親の存在だったという。また不採用になるたび、「使命の場所が絶対にあるから」との母の励ましに勇気をもらった、と語っていた。彼は就職活動を通して信心の確信をつかみ、友人に仏法対話。初めての弘教を実らせた。

〈真心の一言が成長を加速〉
 池田名誉会長は、「若い伸びゆく命にとって、真心の一言の励ましは、成長を加速する勢いになります」と語っている。就活に取り組む本人はもちろん、家族や地域の壮年・婦人部の友も、励ましを通し、共に人間革命の道を歩みたい。
 少子高齢化が、かつてないスピードで進む現代の日本。視点を変えれば、若者一人一人が存在感を発揮できる社会になりつつあるといえよう。社会に巣立とうとする“金の卵”に、最大のエールを送っていきたい。
   (聖教新聞 2013-02-21)